熱田宿

あつたしゅく

熱田宿は、江戸日本橋から数えて41番目の宿場町。
熱田神宮の門前町でもあったことから「宮宿」とも呼ばれた。熱田宿は名古屋城下に至る美濃路の分岐点であり、桑名まで海路七里の日和待ちの大名や旅人が宿泊したため東海道随一の規模を誇った。
天保14年(1843)の記録では本陣2軒、脇本陣1軒、旅籠248軒のほか、尾張藩の浜御殿や奉行所が立ち並んだ。戦災と戦後復興、道路敷設により東海道や町は分断された。現在、かつての船着場跡に常夜燈が復元され、戦禍を免れた旅籠屋建物(*)が往時の名残をとどめている。

*丹羽家住宅は、脇本陣格の旅籠屋だった。

見どころ

  • 富部神社

    徳川家康四男の松平忠吉が創建したといわれる。本殿は名古屋市の神社建築で唯一の国の重要文化財に指定されている。

    住所 〒457-0014 愛知県名古屋市南区呼続4丁目13-38
  • 地蔵院

    鎌倉時代に鋳造されたとされる地蔵菩薩を安置。人々が湯を浴びせて祈願したといわれる湯浴地蔵と呼ばれた。

    住所 愛知県名古屋市南区呼続3丁目11-27
  • 八丁畷公園

    織田信長が整備した浜の道が後年東海道の一部となり、山崎橋から熱田宿の間(八丁の距離)に松並木が植えられた。遠望すると一筋の縄に見えたことに因む。

  • 姥堂、裁断橋跡

    かつて熱田宿の東の入り口には裁断橋という橋が架かっていた。この橋は豊臣秀吉の小田原の陣で病死した息子を思う母の気持ちを刻んだ擬宝珠の名文で知られる。

    住所 〒456-0034 愛知県名古屋市熱田区伝馬2丁目5-20
  • ほうろく地蔵

    三河と熱田をめぐる不思議な由来を持つ地蔵を祀る。この地蔵堂の前の道はかつて東海道と美濃路の分岐点としてにぎわった。

    住所 〒456-0034 愛知県名古屋市熱田区伝馬1丁目1−9
  • 宮の渡し公園

    「七里の渡し」の船着場跡。常夜燈と時の鐘の鐘楼が復元されている。

    住所 〒456-0043 愛知県名古屋市熱田区神戸町1006
  • 上知我麻神社(熱田神宮摂社)

    熱田神宮の摂社で、江戸時代には源太夫社とも呼ばれ、智恵の文殊様としても知られている。かつて東海道と美濃路の分岐した辻の西方に鎮座していた。昭和24年(1949)熱田神宮境内に遷座した。

    住所 〒456-0031 愛知県名古屋市熱田区神宮1丁目1-1
  • 熱田まつり(6月初旬)

    天皇陛下のおつかいである勅使が参向される、熱田神宮で最も重要で荘厳な祭り。

    住所 〒456-8585 愛知県名古屋市熱田区神宮1丁目1−1