池鯉鮒宿と鳴海宿の間に設けられた”間の宿”(*)有松は「有松絞り」で知られる。
東海道を往来する旅人の土産物として考案された絞り染めは、やがて遠く江戸まで知れ渡り、街道筋の名産品へと育った。絞り染めで財を築いた絞商たちの繁栄が今も町並みに伝えられている。
この町並みは全国で唯一「染織町」として重要伝統的建造物群保存地区に選ばれ、さらに有松独自の伝統と文化のストーリーが評価され令和元年(2019)には日本遺産に認定されている。歌川広重が『名物有松絞』の画題で描いた浮世絵の通り、店前を行き交う旅人のような町並み散策が堪能できる。
*【あいのしゅく】正規の宿場と宿場の間に設けらた休憩用の宿。本陣や旅籠はなく宿泊はできなかった。